4.探偵を開業するには


実は探偵事務所を開業するのはとても簡単です。

経営として成り立たせるのは簡単ではありませんが、始めるのに資格が必要なわけでもなく、以下の欠格事由に該当がなければ、探偵業務を開始しようとする日の前日までに公安委員会(警察署経由)へ「届出」を行うだけで開業が可能です。

行政書士に代行してもらう事も可能ですが、簡単なのでご自身で提出も可能です。

欠格事由


(1) 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
(2) 禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
(3) 最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
(4) 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
(5) 心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定める者
(6) 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が(1)から(5)又は(7)のいずれかに該当するもの
(7) 法人でその役員のうち(1)から(5)までのいずれかに該当する者があるもの


※届出をしないで探偵業を営んだ者は、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます(探偵業法第18条1項)

複数の営業所を構える場合には、営業所ごとの届出となります。それぞれに探偵業届出証明書が交付されますので、こちらを営業所のお客様から見える位置に掲示が必要となります。





開業に必要な書類


「届出」時に必要となる書類と手数料です。

提出時には営業所の所在地の所轄警察署(生活安全課防犯係)にアポイントを取り、間違いが無いように記入して提出に伺うと良いでしょう。問題がなければ、当日に探偵業届出証明書が交付されます。



届出書類等


(1) 探偵業開始届出書
(2) 手数料 3,600円
(3) 添付書類 (個人と法人で異なる)



添付書類


「個人の場合」

a. 履歴書
b. 住民票の写し
c. 誓約書
(探偵業法に定められている「欠格事由」に該当しないことを誓約する書面)
d. 身分証明書
e. 申請者が未成年の場合
  e-1.探偵業営業の許可を受けている未成年者の場合…
  法定代理人の氏名と住所を記載した書類、営業許可証明書
  e-2.探偵業営業の許可を受けていない未成年者の場合…
  法定代理人のa~dまでの書類


「法人の場合」

1. 定款の謄本
2. 登記事項証明書(法務局発行)
3. 役員全員の、a~d(個人の場合参照)までの添付書類

 

 

開業するために必要なもの


探偵を開業するに当たって最低限必要になってくるものを紹介しておきます。


●事務所

「届出」の際に提出する「探偵業開始届出書」には、営業所(事務所)の所在地を記入しなければなりませんので、事務所は必須となります。

こちらは賃貸で事務所を借りる余裕がなければ、まずは自宅を事務所として届け出ても構いません。

しかし自宅ですと、お客様の来訪時に信用度が低くなり、契約まで至らない事になるかもしれません。
探偵の事務所は最低限お客様とお話ができ、契約の出来るスペースがあれば問題ないので、小さいテナント事務所を借りるのも良いと思います。



●電話、ホームページ

開業後は、集客をどうやって行っていくがが重要となってきます。看板やチラシ、WEB広告など大手は莫大な費用をかけて宣伝を行っています。

最低限自社ホームページと固定電話、できたらフリーダイヤルもあるとお客様も相談しやすいと思います。
探偵に不信感のある方もいますので、表示番号に携帯電話などは避けた方が良いでしょう。



●調査機材など

一眼レフ、ビデオカメラ、ICレコーダーなど、調査に必要な機材はなくてはなりません。

大手ですと高価な機材も充実しています。無駄な滅多に出番のない機材は必要ありませんが、最低限必要な機材は揃える必要があります。

それから車やバイク、自転車など、レンタルで行うことも可能ですが、急な依頼もあるので準備しておいた方が良いでしょう。

また、お客様に報告書を作成してお渡しも必要となるので、報告書作成に使うパソコンも必要です。

 

 

探偵業法について



探偵業法とは


探偵が業務を行う上で絶対に守るべき法律です。探偵業法に反する行為を行なえば、刑事罰や行政罰を受けなくてはなりません。

探偵業法成立には、探偵、興信所等の調査業においては、契約内容等をめぐる依頼者とのトラブル、違法な手段による調査など、一部の悪質な業者による不適正な営業活動が見られました。このような状況を是正するために、探偵業法が制定されました。

探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的としています。


2006年5月19日に探偵業者(探偵・調査会社・興信所)を届出制とする探偵業の業務の適正化に関する法律案が動議として衆議院の内閣委員会に提出され、2006年5月25日衆議院通過、同6月2日参議院可決・成立、同6月8日公布されました。
2007年6月1日から施行されています。



探偵業者に対する義務


●名義貸しの禁止

届出をした探偵業者が自己の名義をもって、他人に探偵業を営業させることはできません。


●書面の交付を受ける義務

探偵業務委任契約を締結しようとするときは、調査結果を依頼者が違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用い旨の誓約書の交付を受ける必要があります。


●重要事項説明書の交付

契約前に依頼者に対して、契約内容に関する重要事項等について説明した書面を交付し、その内容について依頼者に説明する必要があります。


●契約内容に関する書面の交付

契約後に依頼者に対し当該契約の内容を明らかにする書面(探偵業務委任契約書)を交付する必要があります。


●探偵業務の実施に関する規制

調査の結果が、違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行うことはできません。また、依頼を受けた探偵業務を探偵業者以外に委託してはいけません。


●秘密保持義務

探偵業者には守秘義務がありますので、正当な理由がなく業務上知り得た秘密を第三者に漏らすことはできません。
業務上作成又は取得した資料について不正又は不当な利用を防止するため必要な措置をおこなう必要もあります。


●従業員等に対する教育

探偵業務を適正に実施するために、使用人その他の従業者等に対し、探偵業務に関する必要な教育を実施する必要があります。


●従業員名簿の備付け

営業所ごとに、使用人その他の従業者名簿を備えて、氏名、採用年月日、従事させる探偵業務の内容等を記載しなければなりません。


●届出を証する書面の掲示

営業所ごとに届出した際に交付される探偵業届出証明書を、営業所の見やすい場所に掲示しなければなりません。




警察による立ち入り調査


おおむね1年に1回だけ、警察による立ち入り検査が行われます。

この立ち入り検査は、生活安全課の警察より事前に電話でアポイントを取ってお越しになってくださいます。届出内容以外にも契約書類・従業員名簿・従業員の教育などに関してチェックされます。

同検査で、運営方法・書類の不備・違法業務などが発覚すると行政処分の対象となり、各都道府県警察のホームページには事業所の名称が掲載されてしまいます。


  • ☑ 契約書類
    ☑ 従業員名簿
    ☑ 従業員教育計画書
    ☑ 探偵業届出証明書の掲示


こちらの書類はチェックされますので、しっかりと準備しておきましょう。

私は何度も立ち入りの対応をしましたが、警察は1人か2人で警察とわからないようにお越しになります。担当者によっては契約書の文言まで細かく確認する場合もありました。

何回目かになれば確認もすんなりという感じになります。

調査で法令違反を行ってはいけませんので、従業員の教育は必須です。私の探偵事務所の場合には、月に1回従業員が集まって勉強会を行っていました。

 

 

 




2021年12月15日